人間の赤ちゃんほど、自分の足で立って歩けるまでに月日がかかる動物は他にないらしいですね。
それほど人間はその初期の段階では長らく依存的なのです。依存状態が長いことが必ずしも悪いということではありません。
その間にしっかりと親子の関係性を育めばいいのですから。焦らずに依存を楽しむことができた子だけがその後ゆっくりと自立の道を進むことになるのです。
ところがその反対に、依存状態の自分ではダメだという感覚を持ってしまうと、急いで自立しようとするあまりに、依存と自立が混在した歪(いびつ)なマインドになってしまうのです。
このようなマインドの状態になると、大人になって自立しているつもりでも依存部分がしっかり残ってしまっているので、自分としても不可解な言動をすることになるでしょう。
そしてその場合の自立とは、依存を否定することで突貫工事で作った自立なので、その先がないのです。
つまり相互依存という、より熟達した人間関係を築くことが難しくなってしまうのです。だから、人に頼ったり助けを乞うことが苦手になるのです。
自立が終着点だと思っているなら、その自立は依存の否定によって作られたものだと思って間違いありません。
自分の中にある自立心にしっかり目を向けて見てあげることですね。そこに戦いよりもゆとりを感じることができるなら、健康な自立心だと思っていいと思います。