既成の答えを持ち歩かない

クライアントさんとの日々のセッションに際して、気がついたらやっていたことがあるのですが、それはできるだけ白紙の状態で臨むということです。

かつては、セッション前の15分程度は必ず瞑想をしていたものです。自分の中にある既成概念とか、つい使いたくなるパターンなどを忘れるためです。

今ではもうわざわざ時間を作ってセッション前に瞑想をするということはほどんどないのですが、変わらないのはどんなセッションになるのかという予想は一切しないということ。

というよりも予想などしたところで、その通りにセッションが進んだことなど一度もないのです。

あまりに白紙にしてしまうと、せっかくそれまでにクライアントさんからお聞きしている情報すら忘れてしまうので、その辺の加減はとても難しいのですが…。

ですのでたまには、そんなことも忘れてしまったのですか?と呆れられてしまうこともあるのですが、基本は初めてお会いしたようなつもりで臨んでいるということです。

こうしたことは人生そのものにも当てはまることで、自分の中にある決まり切った正しさとか考え方、ある種の結論のようなものを持っている状態で生きようとするのは、自我の特徴なのです。

自我は安心したいという特性を持っているので、未来を決めておきたいのですね。こういう質問をされたら、こう答えようとあらかじめ用意しておいたりするのです。

このような生き方は、無意識的にならざるを得ないのです。これは自我の天国であって、本当のあなたは死んでしまっているようなものです。

できる限り意識的であるようにすることで、瞬間瞬間に応答する生き方が身についてきます。答えはその時になって見ないと分からない。

それでいいのです。準備はするけれど、その準備通りになどならなくても構わないのです。この生き方ができれば、自我は自然と落ちていくことになるでしょうね。