人を信用することができないと嘆いている人もいるし、自分の周りには信頼に足る人がいないのでどうしようもないと思っている人もいます。
信頼に足る人というのが客観的に存在するというのは幻想です。それは信用できる人ということです。
信用というのは、その人のこれまでの言動を総合して判断を下すと、確かに信用できる人だということになるだけです。
それは信頼とは全く異なるものです。信用は自分にとって相手が期待に応えてくれている間だけのものです。
ひとたびその人がその期待の枠から外れたことをしでかしたなら、その信用はガタ落ちになってしまうのです。
一方で、信頼というのは相手への期待がなくなった時にやってくるものです。つまり信頼は自分の中にあるもので、相手の言動には依存しないということです。
だから信用に足る人というのはいても、信頼に足る人というのはいないのです。それは文法的に間違っていることになりますね。
言葉を変えれば、信用は期待とペアだし、信頼は愛と一緒にやってきます。あなたの中で愛が育てば、相手がどうであれその人への信頼も一緒に育まれていくということです。
信用にはそれに見合った理由があり、信頼にはいかなる理由も存在しません。だから信用はぐらつくこともあり、信頼は変わらないのですね。