マインド優位からハート優位へ

マインドというのは思考で出来ている一方で、ハートは感覚や感性で出来ていると言っていいと思います。不思議なことに日本語では、どちらも「心」と呼びます。

単純に言って、考えることと感じることの両方があっての人間ですから、どちらもとても大切な欠くことのできないものです。

けれども、現代人の多くにとってマインドとハートの使われ方の比重が、マインドの方に強く傾いてしまっているのです。

その理由は、このせちがない世界の中で生き抜いていくために、自分をあらゆる敵から守らなければならないために、思考を働かせる必要があるからです。

戦いに勝つために有利な条件とは、マインドによって戦略を練る一方で、痛みを感じやすいハートを閉じることです。だからマインド優位が必然なのです。

たまに忙しい毎日から脱出して、大自然の中で日常を忘れてゆったりと過ごすことができれば、その時はマインド優位が崩れて、自ずとハート優位の状態になるはずです。

こうしたことは、誰もが大なり小なり気づいていることのはずなのに、それならなぜいつまでもマインド優位の人生から逃れることができないのか?

それは、マインド優位であればあるほど、自我にとっては具合がいいからです。自我はマインドの中に棲んでいるので、ハート優位の時には大人しくしていなければならないからです。

自我は幸せを求めているふりをして、実はマインド優位の状態を保って、戦いの人生を継続させたいという本音があるのです。

こうしたことに気づいて、少しずつマインドを沈めるとともに、ハートを開いて感じやすくなるように、生き方全般を見直してみることが大切ですね。