私たちが本当に癒されるとき、それは幼い時の自分の親から解放されるときなのです。え?、親のことなどもうとっくの昔にどうでもよくなってしまっているよ、という人もいますね。
けれども、そこにはひょっとすると分かりずらい落とし穴があるかもしれません。というのも、本当に親に対してのあらゆるわだかまりが消えてしまうことは、なかなかないからです。
私たちは、表面意識では親を卒業したと感じているものです。たしかに親がいないと生きていけないと感じている大人は少ないでしょう。
ところが、あなたの心の中にはインナーチャイルドがいます。誰の心にもいます。その子の本当の気持ちを全部分かって生活している人がどれだけいることか。
実は多くの人は、インナーチャイルドがいることすら感知していません。知っていたとしても、その子の本心を知っていて、受け止めてあげられている人は本当に少ないのです。
たとえば、「ずいぶん前から私は親については完全に諦めてしまっていて、どんな期待ももう持ってはいません。」という人がいます。
でもその気持ちが100%であれば、人生が生き辛く感じることはないはずなのです。その人のインナーチャイルドの隠された本心では、まだまだ決してあきらめてなどいないのです。
そのことを知ってあげることが癒しの第一ステップと言ってもいいかもしれません。その上で、その気持ちがなぜ残っているのかを見てあげるのです。
そして理想的には、その子の悲しみ、怒り、不安、淋しさなどを大人の自分が全力で味わってあげること。それが出来て初めて、すべてのわだかまりから解放されるのです。
そうなってようやく、親への抵抗感が消えて、あるがままの自分を出して生きていくことができるようになるのです。それが癒しの道ですね。