人生のからくり

学校教育のどこをどう紐解いても、この世界という現実について何か「からくり」のようなものがあるとは教えてもらっていません。

日々、物事が雑然と起こるに任せてその中で個々人の人生が進んでいくというだけです。物質的なあるいは物理的な法則のもとで、一日24時間が毎日規則的に繰り返されることだけが分かっていることです。

自分の身に起きていることの理由も分からないですし、未来に何が起こるのかということも全く分からぬままに日々が過ぎていくのです。

すべては偶然の産物であって、将来のことをある程度予測できるとしてもそれはあくまでも努力によって実現する可能性を高めることができるというだけの話しです。

そう思っている自分も確かにいるのですが、しかし一方ではどういうわけか、そして誰に教わったわけでもないはずなのに、この現実には「からくり」があると思っている自分がいました。

一体いつからそんな感覚が芽生えてきたのか、今となっては覚えてはいないのですが、それは今では確信になってしまっています。

「からくり」というのは、表面上は見えないようになっているのですが、内部に隠されたメカニズムのようなもののことであって、それによってすべてが起こされ、動かされているようなものです。

この思いは、「奇跡のコース」という本と出会ったおかげで、確信になっただけではなくて、より明確化されたとも言えます。

そのことだけでも、本当に心が穏やかでいられるようになりました。なぜなら、それはすべての事象には理由があって起きているのだという洞察が得られたからです。

私たちの心にとって、わけが分からないことほど怖いものはありません。明日自分の身に何が起こるか分からないということには違いがないのですが、何が起ころうともその「からくり」によって動かされているだけだという安心感のようなものがあるのです。

つづく