病名と症状

初めてセッションを受けてみようとされる方から電話やメールをいただいて、「こんなことで悩んでいるのですが、そちらに伺ってもいいでしょうか?」というような質問をいただくことがあります。

「辛い記憶を催眠で消してもらうことはできますか?」という場合を除いて、どんな悩みでもセッションをお断りしたことはありません。

それは勿論何が何でもセッションを行いたいからということではなく、どんな悩みや症状であっても心の問題は元を正せばたった一つの事に行き着くと分かっているからです。

だから、ご本人が前向きに治したい気持ちさえあれば、癒しをしていくことができるのです。ですが、このことは一般には知られていないことなのでしょうね。

だからこそ、先にあげたような質問をされる方々がいらっしゃるわけです。他のセラピストの方のサイトを見ると、「こんな症状の方に効果があります」のように具体的に書いてあるものが多いですね。

実は私もそうした症状について、ホームページ上で詳細を載せた方がクライアントさんが迷わずにご予約できて親切だなと思い、そうした症例を作ったことがありました。

過去のセッションの記録から症状に関するデータを抽出して、まとめるところまでやったことがあったのです。

症状は多岐に渡っており、それはもう大変な情報量になってしまったのを覚えています。そして、ホームページ上に掲載しようかというところまで行って結局やめてしまいました。

その理由は、詳細になり過ぎたせいか、その情報を読んでいるだけで何となく自分が苦しくなってくるような感じがしたのです。

それとあきらめた理由がもう一つあります。それは、症状を読みやすくするためにグループ分けをしてみたりしたのですが、その作業に嫌気がさしてしまったのです。

何だか、症状に病名をつけたりグループ分けするようなことはお医者さんに任せておけばいいと思えたからです。

セッションにいらして下さったクライアントさんの抱えている問題は、お一人おひとりの個別のものですから、そこだけに集中すればいいのであって敢えて一般化する必要はないと思えました。

病名は便宜上人が仕分けし易いように作ったものに過ぎません。それは薬を処方するお医者さんのためのものです。

いかなる問題であろうとも、心の癒しができないというようなものは決してありません。ですから、どんなことでも、お一人で迷ってないで是非勇気を持ってセラピーにいらして欲しいと思います。