人生のからくり その3

昨日の続きです。

なぜ自分が望まないようなことを、心の奥に潜む部分が望むのかというと、それは私達の心が分裂しているからなのです。

それも一つや二つではありません。すごく沢山の心の部分に分断されているのです。そして、それらはそれ自体のこと以外、つまり他の分断された部分についての認識がありません。

沢山に分断した各々が互いに認識しあってはいないということです。つまり、自分の心というのは自覚できる自分とは別に、自覚できない心があってそれ自体が細かく分裂していて、それらの間に意思疎通がない状態なのです。

これが人の心の実態です。その自覚できない奥に隠れた心の部分の一つひとつがこの現実を作る「からくり」として働いているのです。

その一つひとつは互いに相容れないような主張をしていたり、真逆の考え方を持っているという具合に、まるで無作為に選んだ複数の人たちの集まりのようなものです。

でもその一つひとつの心の断片には、それ自体が心に宿る理由がありますし、それらが何を訴えているのかについてもレッキとした理由があるのです。

そのすべてが自分の心の一部であるということです。ですから、本当に自分を深く知るということはその一つひとつの心の断片を拾いあげて知ってあげる必要があります。

実は自覚のある自分よりも、それらの方がよほど自分自身を色濃く表していると言えるくらいなのです。私達はそれくらい、自分というものをほとんど知らない状態で生きているのです。

それらの一つひとつを詳細に調べるために、瞑想したりすることも有効ですが、最も簡単なことは自分の身の周りにどんなことが起きているかを見ればいいのです。

なぜなら、それらが自分の人生の「からくり」としてすべての事象を起こしているからです。もしも、風邪をひいたならそれを起こした心があるのです。

もしかしたら、風邪をひいて身体のデトックスをしたかったのかもしれません。足を捻挫させた理由は、その日にどうしても職場に行きたくないと思っている心の断片がそうさせたのかもしれません。

自分の身に起こること、自分が体験すること、それによって自分の心が反応する様子、そういったものすべてが深いところにある自分の心の一つひとつを解明していく鍵となるのです。

そういう意識で毎日を生活してみて下さい。いろいろなことが分かってくるにつれて、自分や自分の人生、そしてこの世界にとても興味を持つことができるはずです。