世の中には被害者意識の強い人というのがいますね。みなさんの周りにもいるのではないでしょうか?ああ、あの人のことだと思い当たる人が必ずいるはずです。
そう言う人は周りからあまり好ましく思われてはいないはずです。なぜなら、大抵は自分がいやな目に遭ったとか、理不尽な思いをしたという話しばかりするからです。
自分が被害に遭ったことばかりを立て続けに訴えるわけですから、聞いていて気持ちのいいもののはずがありません。
しかし、本人は本当にひどい目に遭ったのだから仕方ないだろうと思っているはずです。また、そうした出来事を公言しない人の場合でも、心のなかでは被害者の意識が強いという場合もあります。
いずれの場合にも、被害に遭って自分はとても苦しんでいるという自覚があるわけです。その人の身に起きていることそのものを見ると確かに被害を受けているわけですから同情もできるかもしれません。
ところが心の奥では、本人が気づいていようがいまいが、被害者であることの捨てがたいメリットを享受しているのです。
被害に遭うということは、自動的に相手を加害者の立場にすることができるわけで、そうするといつまでも相手を非難し続けることができるのです。
自分は決して悪くない、逆に相手は罪深いという絶好の立場を手に入れるわけです。この有利な立場こそが被害者のメリットです。
大した被害に遭うことができない場合であっても、無理やり自分を被害者の立ち場にしてしまう人もいます。クレーマーと言われる人はそれに当たります。
ほんのちょっとしたことでもすべて文句を付けるネタにしてしまうわけです。そうやって、とことん相手を責め続けるのです。
つづく