結果に意味はない その2

結果に意味はないなどと言われてしまったら、頑張って成果を出そう、結果を残そうと思っている人にとっては困ってしまうかもしれません。

なぜならこの世界は、すべての人同士が深くかかわることなど到底あり得ないですから、目に見える結果によってのみ自分のことを評価してもらえると思っているからです。

全く知らない人や少ししか自分のことを知らない大勢の人たちに、自分を高く評価してもらうためには成果を上げる以外に手立てがないのは確かです。

だから結果に意味は充分にあるし、やり遂げた成果こそが自分を正当に評価してもらう唯一の尺度になると考えるわけです。

プロのスポーツ選手であれば、残した結果が次の年棒に大きく影響してくるわけです。金メダルを獲得するのと、敗退してしまうのとではその後の人生での周りの評価は大きく違ってきます。

しかし、やはりここでも大切なことは自分がより幸せになれるかどうかということに尽きます。食べていけないくらいに収入が低ければ、少しでも多く報酬をもらえるようにと頑張るでしょう。

でも、もう充分に稼いでいると思われるような選手でも、頑張って結果を出そうとするのはどうしてでしょうか?

結果にこだわるのは実はお金の問題だけではないからです。人からの評価をできるだけ高くしたいという気持ちが強いからです。

その心の奥にはやはり見捨てられたくないという恐れの気持ちが隠されていると思います。評価を上げて、自分の価値を高めることで安心しようとするのです。

しかし、優秀な成績を残した選手や人物がみんなそうだと言うつもりはありません。ただ大好きな競技や研究を続けた結果、評価されるような成果が出たという人もいるでしょう。

そういう人は高い評価をいただけばそれなりに嬉しいはずですが、それはただそれだけのことだということを知っているはずです。

大切なことは心が継続的に満たされているかどうかという一点なのです。人からの評価は一過性のものに過ぎません。結果よりも過程であり、心の在りようがすべてということです。