人間とは関係性そのもの その2

昨日のつづきです。

自分を個体として見るのではなく、他との関係性そのものとして見るということについてお伝えしましたが、なぜそうした見方が大切なのかということについてお話しします。

自分を個として見てしまうと、どうしてもその大切な個を守ろうとする意識が出てきます。つまり個体を防衛しようとするということです。

それは言葉を変えると安心や願いを求める心であると言えます。そうした心というのは、他との関係性をすべて求めるため、防衛するために使おうとしてしまうのです。

しかし、自分を個として見る比重を小さくしていき、代わりに関係性を重視するようにしていくと、個としての自分を守ろうとする気持ちも小さくなっていきます。

防衛が少なくなれば必ず与える心が増えてくるのです。与える心は個を見つめるのではなく、他との関係性の中にこそ息づいているのです。

関係性をもっと重要視すればするほど、個への注意が小さくなっていくことになります。そうなってくると、昨日描いた丸と線の図の様子が大きく変わってくるのです。

自分や他人を個として描いた丸が点のように小さくなるのと反比例して、丸同士を結んでいた関係性を表す双方向の線が束のように太くなり、しまいには隙間がないくらいに大きく点と点を結ぶようになるはずです。

そうなると、点はあってもなくても同じになって、関係性だけの図が出来上がることになるのです。その関係性とは与える心である愛で埋め尽くされるはずなのです。

そして関係性だけになるということは、すべての心が一つであるという意識として互いに分かち合われることを意味します。

それこそが究極の姿であり、関係性を作ってきたコミュニケーションが終わるときなのではないかと思います。