「負け知らず」の人

みなさんは、「負け知らず」な人と聞いたらどんな人を想像するでしょうか?才能が豊かで何をしてもいつも人より劣ることがない人とか、いつも勝負に勝つ人とかかもしれません。

喧嘩に強い人や、とにかく弱々しくはないイメージがすぐに浮かぶと思います。しかし、本当の「負け知らず」な人というのは、そういったイメージの逆の場合がほとんどなのです。

例えば、子供の頃に親のことが怖くてビクビクしていて、自己表現することもできずにいるような子は、か弱い子と思うかもしれませんが、実は最強なのです。

学校でいじめっ子にいつもいじめられて、みんなの輪の中にも入れず独りで惨めにひっそりとしているような子が、本当は「負け知らず」な子なのです。

なぜそういった、最も弱そうな子が一番の「負け知らず」かというと、その子は決して白旗をあげてはいないからです。

欲しいものがあっても決して買ってと言わない子は、そういう辛い状態にも耐えることができるということです。それは最強とは思いませんか?

負け知らずな人は、得体の知れない怖い存在に追い掛け回されるような夢を見るかもしれません。なぜなら、負けを認めずに逃げ回っていられるからです。

白旗をあげる人は、すぐに逃げるのをやめてもうどうにでもして下さいと腹をくくるはずなのです。絶対に負けないという人だけがいつまでも逃げ回るわけです。

子供のころから頑固で表面では弱々しくしているものの、心の奥では負けを認めない人、そういう人が「負け知らず」な人なのです。

「負け知らず」な人とは、限りなく自分を防衛し続けることのできる人のことです。自己表現をしないのも、おとなしくして耐えているのも、みんなそういう人であるわけです。

弱い犬ほどよく吠えるということわざがあるように、本当に弱いものはよくわめいたり、自己表現がさかんにできる人なのです。

自分が気が小さくて言いたいことが言えないと嘆いている自覚のある人、そういうあなたこそ実は「負け知らず」な最強の人だと気づく必要があります。

そして、すぐに白旗をあげてまいりましたと言える人ほど、生きていてダメージは少ないし、幸せを手に入れやすいということを覚えておいて欲しいと思います。