逃げ水

みなさんは、「逃げ水」という現象をご存知でしょうか?これは蜃気楼の一種なのですが、今日たまたま空いた時間にクルマを運転している時に何度か見かけました。

強い日射で道路が熱せられると、前方に水たまりが出現したように見えるものです。近づくと先へ先へと逃げていく、これが「逃げ水」という現象です。

地表付近の空気が熱せられることにより空気の屈折率が変わり、上のほうの空気と異なる屈折率となるので一種のレンズとなり、遠くの景色が道路の上に見えるらしいです。

夏の風物詩なのですが、今日は久しぶりによく晴れて、日中道路の温度が上がったから見えたのだと思いますが、私は幼い頃からよくクルマに乗っている時に目撃していました。

前方の道路の路面が濡れているようにキラキラ光ってとてもきれいなので、好きな人は多いかもしれませんね。

本当は何もないところに、あたかも何かがあるかのように見える現象なわけですが、肉眼というものはとても騙されやすいものだという一つのいい例かもしれないです。

そういった蜃気楼というものは、科学的に簡単に説明がつくのですが、実は我々の眼というのは自分が見たいものを見たいように見ているということなのです。

本当はそこには何もないのにあるように見える、あるいはそこには本当は何かがあるにも係わらず、何も見えないという現象も起こします。

更には、我々が肉眼で見るからこそ、そこに何かが在るというようにも考えられるのです。つまり、物体がそこに存在するということは、見るという知覚があるからだということです。

もっと言えば、知覚は自分が体験したいものを体験するためのメカニズムであると言えるのです。いずれにしても、控えめに言っても私達は自分の感覚をかなり都合よく使っているということですね。

知覚とはそういうものですので、あまり過信しないことです。でも、「逃げ水」のような面白い現象を見せてくれたりもするので、それを多いに楽しめばいいのかもしれません。