私達は、自分の周りにいる人たちとの関係において、それぞれの相手が自分のことをどのように評価しているのかということについての自分なりの情報を持っています。
それは普段あまり表面化することはないのですが、それでもよく心のうちを見つめてみればある程度は分かるものです。
ところが、その時に出てくる情報というのは、大抵の場合自分に対するあまりいい評価ではないものばかりが出てくることになっています。
なぜなら、そういった情報が相手を否定的な存在であるとすることに繋がるからです。それはつまり、相手を否定的に見たいという欲求があるということです。
それが自分にとって都合のいい見方であるということです。一般的には、相手を肯定的に見ることができたほうが気分がいいと思えるのですが、実は否定的に見たいという強い心の力があるのです。
そのために、そうした情報はかなり偏ったものとして出てきてしまうのです。例えば、自分が嫌っている上司がいたとして、その上司が自分のことをどのように評価していると思うかと聞かれたら、それはやはり否定的な見方をされてしまっていると感じるわけです。
そのように感じることが自分にとって何かと都合がいいからです。しかし、本当のところはどうなのでしょうか?
セッションではそういったことを深く見ることによって、実はそんな否定的な見方ばかりを相手がしているというわけではないということが分かる場合がとても多いのです。
上の例で言えば、その上司は自分のことを信頼できる部下だと思っているとか、仕事のできる有能な部下だという評価をしているということが出てきたりするのです。
そうやって、相手は自分を否定的に見ているばかりではなく、肯定的に評価してくれてもいるのだということが分かったりします。
それが分かるだけで、相手への気持ちが暖かいものに変化したり、相手への攻撃的な気持ちが薄らいできたりということが起きてきます。
自分は相手にどのように見られているのか、そのことが気になる人はその相手になったつもりで自分のことを評価してみるのです。
今まで気づかなかった自分への評価がいろいろ出てくるはずです。それはとても意外な体験となるはずですので、是非一度試してみて下さい。