印象的な昔のテレビ番組 その3

それは2時間ものの日本のテレビドラマだったと記憶しています。物語の詳細はほとんど覚えていないので要所だけをお話ししたいと思います。

あるご夫婦のお話なのですが、歳の離れたご主人が奥さんのことをとても大切にしている仲睦まじい絵に描いたような二人なのです。

ところがご主人にはある暗い過去があり、それがふとしたときに彼の表情に出てしまうのです。それは、決して最愛の妻には言えないような重く苦しい過去の体験なのです。

その体験とは、ある大手デパートの高層階で火災があり、そこに居合わせたご主人は煙と炎に巻き込まれながらも命からがら窓からはしご車に飛び移って命拾いしたのです。

パニックになっていたご主人が我れ先にと窓から逃げようとしている様子が、全国放送のニュースで映っていたのです。

そんな辛い過去のことを吹っ切るように、その後の人生では素敵な女性と知り合い、結婚して幸せな生活を送っていたわけです。

ところが、あるきっかけでその事件の時の映像をもう一度見たときに、とんでもない場面が映っているのを知ってしまったのです。

それは、窓から助けを求めているご主人の後ろから、彼にしがみついて助けを求めているある女性がいたのですが、それが今の奥さんだったのです。

ご主人は自分が助かりたいという一心でその女性の手をふりほどいて蹴飛ばしたりしていたのです。それからご主人の果てしない苦悩が始まったのです。

自分の行動に対する罪悪感や自己嫌悪感、そして愛する奥さんにばれてしまったら嫌われ、蔑まれ、見捨てられてしまうに違いないという恐怖。

決して自分を許してはもらえないだろうという思いが彼を責め続けたのです。このドラマの結末がどうなったのかは覚えていないのですが、これはとても考えさせられる問題です。

みなさんだったらどうするでしょうか?絶対にその秘密を言わずに墓場まで持っていこうとするのか、あまりの苦悩に耐え切れずに告白してしまうのか、どちらにしても悩ましいですね。

しかし、自分が本当に相手を非難するのではなく許しの目で見つめることができたら、どんなことがあっても相手も必ず自分を許してくれるはずなのです。

つまり、相手が自分を許すかどうかは自分次第だということなのです。このことを信じることができるなら、そして自分が相手を許す気持ちになれるなら、正直に告白すべきだということです。

そうしたら必ず自分も相手から許してもらえ、すべての苦悩が消えていくのです。人は誰でも罪悪感から、誰にも言えない何かを隠しもっているものです。

勇気を持って許しを請うことで人生を変えていくことができるということを、体験を通して証明したいものですね。

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