私たちはいつも、もっともっと自分を改善できるし、もっと能力を伸ばしていくことができるし、今のままではいられないと先を見つめているものです。
つまり、未来に期待をすることで、今現在の不満や足りないところを何とか心のやりくりをして処理しているのが実情だと思います。
今この瞬間の自分に大満足で、もう何も必要とするものはないと本当に思っている人は稀ではないでしょうか?
特に若いときには自分の可能性は無限大に広がっていくとも思っているので、そのときの自分に満足できていないとしても、希望を持って未来に向かって進んでいくことができるのです。
しかし、次第に年齢を重ねていくに従って、可能性は徐々に狭まっていくし、自分の能力についても大体の目安はできてしまうために、自分の人生はこんなものかもしれないと思うようになりがちです。
ところが、年齢を重ねても生き生きとして毎日を暮らしている人もいるし、若くてもすでに自分の人生に失望してしまっているような人もいるのです。
その違いは一体どこからやってくるのでしょうか?生まれながらの個体差や生育環境などの違いによって、そうした差異が生じると考えるのが普通かもしれません。
確かにそうしたことも要因としてあるのでしょうね。ですが、一番大きく影響してしまうのは、やはり今この瞬間の自分を受け入れているかどうかということだと思います。
このままではいられないとか、こんなはずではないとか、現在の自分を否定的な目で見ることが多ければ、それだけ満たされない日々を送ることになります。
確かに現状に満足してしまうようだと、それ以上人間は成長しないという考え方もありますが、それは本質的な人の幸せについては触れていないことに気づく必要があります。
真の幸福とは今この瞬間の自分を全面的に受け入れることです。それ以外に幸せになる方法は決してないということを肝に銘じておくことです。
これは簡単なようでいて、なかなか腹の底から分かるのは難しいようですね。最も邪魔をするのが罪悪感ですし、それは周囲への不平不満を必ず伴っています。
こうしたものが心の中に燻っていると、決して自分を認めることができなくなってしまいます。どんな自分でも、今日一日の終わりに自分を許してから眠りにつく練習をするといいかもしれません。