組織について

私は会社員の生活を20年以上経験してきましたが、どうも組織というものが苦手のようです。単に組織というよりも、その組織がピラミッド型になっているのが好きではないのです。

企業などはその典型と言えますが、それ以外にも宗教団体や政治の世界、研究機関などでも、大勢の人たちからなる一塊の組織というのは、大抵がピラミッド型ですね。

これは私の個人的な好みの問題ですので、ピラミッド型組織が必ずしも悪いということを言いたいのではありません。

そのことをはっきりさせた上で、なぜピラミッド型組織が好きではないのかというと、組織の目的を全員が同じように持つことが難しいと感じるからです。

会社であれば、社長と平社員とでは、表面的にはその企業の業績を上げるために全員が働いていると言えますが、実際にはトップの人物と末端社員とでは働く目的が異なる場合が多いのです。

それは立場が変われば意見も異なるのが当たり前だからです。そうなると、そういう違いを見ないようにして、いかにも一致団結しているふりをするということが起きてきます。

こうしたことは、短期的にはごまかしておくこともできますが、長期的にはどこかに綻びができてしまうことになると思います。

私が理想とする組織とは、そうしたピラミッドのようなものではなくて、組織内の人たちがすべて一人ひとり互いと有機的に結びついていて、その結びつきは都度変化するようなものです。

例としては少しはずれるかもしれませんが、人の身体を形作っている細胞について考えてみると分かりやすいかもしれません。

細胞の一つひとつが組織の一員だとすると、細胞には組織全体の設計図である遺伝子があって、身体全体とそれのどの部分を自分が担っているかを知っているということです。

つまり組織内の一人ひとりが組織全体についての完璧な情報を知っており、その上で互いと連携をとりながら必要な責務をそれぞれが果たしているということです。

なんとすばらしい組織なんだろうと思ってしまいます。私たちが日本の国民として、日本のことを同じように知っているかと言われたら、全く自信がありませんね。

政治家や官僚は国民が知らないようなことをたくさん知っていて、あたかもピラミッド型の組織のようなイメージを感じてしまいます。

人体のような国家ができたらいいなと思ってしまうのは私だけでしょうか?