人は何もしないではいられません。どれほどの怠け者であっても、とんでもない面倒臭がりやであろうと、ずっと何もしないでいるということは、まずできません。
それは、マインドが動いているからです。マインドは、片時もじっとしていることができずに、常に何かを思考したりして、せわしなく働いているのです。
なぜなら、それがマインドの根本的な性質だからです。マインドは本当にその動きを止めてしまうと、時空から開放されてしまうかもしれません。
それはマインドにとって、とても危険な状態となってしまいます。この世界にいられなくなってしまうことになるからです。
マインドはただ動いているだけではなくて、何かを達成しようとしたり、成果を出そうとして頑張らせようともします。
だからこそ、私たちは絶えず何かを計画して、今よりももっといい自分になろうとしたり、もっと豊かな生活を目指して頑張ろうとするのです。
しかし、私たちが何をしようとするにしても、マインドの命令に従っている限りは、本当の平安を手に入れることはできません。
本当の平安とは、マインドの動きから開放されることを意味するからです。これが、マインドのジレンマなのです。
何もしないでいることはできないし、逆に何かを目指して頑張ってもマインドの虜であることには変わりないということです。
それでもたった一つだけ、マインドの働きを利用しつつマインドから抜け出る方法があります。それは、自分は決してマインドではないという感覚を繰り返して感じるように務めるのです。
それが、「自分は在る」の感覚です。自分は○○であるとか、自分の○○、というような感覚を使わずに、ただ自分は在る、だけを意識するようにするということです。
それができると、自然とマインドの動きから離れていくような、とても心地のいい状態になることができます。繰り返して練習することが必要ですね。