定かではないのですが、栄養ドリンクか何かのコマーシャルで、『24時間戦えますか♪』という耳慣れたフレーズがありますね。
よく考えてみると、大変なことを言っているわけです。勇ましい面構えのスーツを着たサラリーマンの姿が目に浮かびますね。
また、岩崎宏美さんの歌の中で、大好きな「聖母(マドンナ)たちのララバイ」という曲があるのですが、その中に次のようなフレーズがあります。
『この街は戦場だから、男はみんな傷を負った戦士♪』。これ、たんなるたとえ話ではなくて、本当に社会の中で生き抜いていくには、熾烈な闘いに負けずに頑張る必要があるのです。
私は子供の頃から、男のくせにこうした争って勝つということに興味を持てないでいました。それなのに、気が付くとしっかりと社会という戦場の中で、ごく普通に闘いの毎日を送るようになっていました。
不思議ですね。生きて行くためには、それしか他に道はないと勝手に思い込んでしまっていたのでしょう。癌を患って、ようやくそこから脱出することを本気で考えるようになったのです。
そして、闘いはいつでも止められるということを知りました。それはサラリーマンだった頃の自分には、ただの夢物語のように思えていたものでした。
勿論、あれも手放したくない、これも手放したくない、というようにそれまでの毎日にしがみついている限りは、闘いから逃れることはできないでしょう。
だから、まず何よりも自分は闘いが嫌いであって、そこから手を引くのだという決意が最初に必要なのです。その決意さえできれば、あとは自動的になるようになっていくはずです。
闘わなくても生きて行けるのです。そればかりか、闘わない人生を生きることこそが本当の勝利者になるのだということにも、気づくようになるのです。