もう何十年も前のことですが、ある有名なギタリストが「誰が世界中のギタリストの中で一番うまいと思うか?」というインタヴューを受けたときの事です。
彼は次のように答えたのです。「この人が一番うまいと思っても、すぐにもっと上手な人が表れる。だから誰が一番かということに意味はない。」
更に次のように言ったのです。「その代わり、ギターを愛しているということについては、俺は誰にも負けない!」これって、すごく真理をついていると思うのです。
つまり、ギターのテクニックを比べるというのなら、仮に何等かの条件を設定して競争させて、その結果でだれが一番かを決めることはできるかもしれません。(勿論意味はないですが…)
けれども、誰がギターを一番愛しているかということになると、これはどんなことをしても決めることは不可能なことです。なぜなら、愛しているということは主観的なことだからです。
人の内面を外側から比べることは不可能なことですね。このように、他人から客観的に評価できることを競うよりも、主観的(内面的)な部分でだれにも負けないという自負を持つことが素晴らしいことだと思うのです。
あなたの存在あるいは存在価値を他人は評価することができません。その存在価値については、誰にも負けないという自負を持つことです。
それができるなら、無駄な自己防衛がなくなり、安心や安全を求める人生が、より楽しむための人生へと転換していくことになるでしょうね。