外側を見る代わりに、180度方向を変えて内側を見る練習をして下さいと伝えると、自分を客観視することだと勘違いされることがとても多いです。
長い間外側にばかり気を取られて生きて来た人にとっては、自分を見る=客観視のように思えてしまうのも無理もないことです。
客観視というのは、あたかも他人の目から自分の姿を見るようなイメージになりますが、これでは決して自分の内側を見ることはできませんね。
なぜなら、他人の目からは自分の外面しか見えないのですから。自分の内面を見るためには、自分の内面からそれ自体を見るしか方法はないのです。
見るという表現が誤解を生むのであれば、内側に意識を向けると言った方がわかりやすいのかもしれません。要するに、意識をどこに向けるかが大切なことなのです。
他人からは決して見られ得ないところ、自分の感情とか気持ちでもいいし、自分の思考でもいいのですが、できればそういったものを通り越したより深いところにまで、意識を向けられるといいのです。
そうすれば何もなさが自分にとって馴染み深いものに次第になっていくはずです。意識がそれ自体に気づいているという微妙なタッチ。
そこは無限の奥深さと静寂の領域。そこからあらゆる現象が立ち上がっていくのですね。