ちょうどど真ん中の生き方

テニスの錦織選手を相当に舞い上がって応援していると、彼が試合に勝てば物凄く嬉しい反面、負けると非常に悔しい思いをするのです。

これが二元性の世界の掟なのですね。女性は出産のときに男性であれば失神してしまうような苦しみを味わう一方で、性的快感は男性の何倍も大きいと言われています。

そのようにして自然はバランスを取っているのです。だから幸福感を強く感じられる人というのは、それだけ不幸な人生を経験しているということ。

砂漠を何日も水なしで歩き続けて、もう一歩も歩けないという状態になった末に飲む水は、どんな高価なワインでも敵わないくらい美味しいはず。

要するに、一方の極端を経験すれば、かならずもう一方の極端もやってくるということです。二元性の世界はそのようにできているのです。

そして、その度合いが大きければ大きいほど、物語性も大きくなるということです。逆にその度合いが小さくなればなるほど、物語性も消えていくのです。

どちらの方向へもいかずに、ちょうどど真ん中にいることができるなら、そこにはどんな物語性も生み出されることはないのです。

それが中道とか中庸というものですね。それこそが生きる極意といってもいいのです。