視点を拡げる

私たちは、あまり意識せずに人間とはこうあるべきという基準のようなものを作っています。清く、正しく、美しくのように…。

男はこうあるべき、女はこうあるべき、そしてひとたび自分はこうあるべきという基準、理想を作ってしまうと、それだけ苦しむことになるのです。

なぜなら、現象界というのはあなたが望んだ通りになる保証などないからです。そればかりか、全体はあなたの個人的な希望などに興味もないからです。

自分の身体を作っている60兆個の細胞の一つひとつに私たちが興味を持っていないのと同じなのです。全体として健康でいられればいいのですから。

今のあなたの状態がどんなものであれ、全体としては問題ないのです。今この瞬間のあなたの状態が全体にとってOKだということに気づけばいいのです。

私という個人について考えるというのは、非常に局所的な狭い視点で見ていることに気づくこと。視点が狭ければ気になることが満載になるのは当然です。

一頭のいたいけな子鹿がライオンに追われて餌食にされる様だけを見れば、自然界とは何て残酷だろうという印象だけが残るのです。

けれども全体で見れば、それで生態系がきっちりと維持されているわけです。エゴが小さくなれば、自分は全体の一部として映るようになるのです。

そうなれば、自分とはこうあるべきというすべての理想が消滅して、ただあるがままでOKということが分かるようになるのですね。

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