誰もが自分だけは失望したくないと思っているのです。そしてそのために頑張るのですが、本当は人生には失望しかないということを見ようとしません。
実は人生には、二種類の失望だけがあるのです。一つ目の失望とは、望んだものがあって残念ながらそれが手に入らなかった時の失望です。
そして二つ目の失望とは、望んだものが手に入ったときの失望です。一つ目の失望については勿論だれもが気づいているのです。
けれども二つ目の失望については、不思議なことに何度繰り返しても気づくことがないのです。なぜなら、その失望を隠すために次の望みを生み出すからです。
望んだものが手に入ったそのすぐ後に、また別の望みを作り出してそれに向かって邁進するのです。だから本人としてはそこにも失望しかないということが分からないのです。
真に満たされて失望から解放されるなら、もう二度と別の望みを作り出すはずはないのに…。「失望」の意味を改めて見ればいいのです。
読んで字のごとく、望みを失うという意味です。つまり、それが得られたならばそれを得ようとしていた望みは失われるということです。
なぜなら手に入ってしまったものを望むことは不可能だからです。エゴにとっては何であれ未来に向かって望みを持っていないといられないのです。
だからどんな望みが叶ってしまったとしても、そこでその望みを失ってしまうために、新たな望みが必要になるということです。
その結果、エゴがある限りは、人生には失望しかやってこないということに気づけば、今この瞬間に意識を向けられるようになるのですね。