満ち足りたらマインドは消える

私たちのマインドは、常に満ち足りたいと願っています。できる限り不安や孤独感から逃れて、安心して充足した状態を望んでいるのです。

なぜなら、マインドの軸になっている分離感が不足感、あるいは欠乏感を常に作り続けているからです。それは原理的に消えないものなのです。

つまりマインドとは、満たされたいと願っていながらも、もしも本当に満ち足りてしまったら、そのときにはマインド自身がもたないのです。

マインドというのは、「私」という個人がこうして生きていると思い込んでいる思考の塊のことです。その「私」が一番望んでいることが達成されてしまうと、「私」は消えてしまうということ。

自己消滅という最も恐れていることが、最も望んでいるものが手に入った瞬間に起こるというこの矛盾。あまりに理不尽過ぎて、笑えてきませんか?

一時的であれば、満足感を得ることは勿論可能なのですが、真の充足はマインドにとって身の破滅だということです。

そんな大矛盾を抱えながら、そのことに気づかずにあがいてもがき続けているのが、人生というわけです。このことを深く理解するなら、きっと誰もが脱力することになるはずです。

もうお手上げだからです。これが観念するということ、降参するということ。防衛をやめて、白旗をあげるなら、「私」というマインドは消えて、後に残るのは至福という実在だけになるのですね。

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