努力の末にやっと念願が叶って嬉しいはずなのに、そういうときに「一層身の引き締まる思い」のような発言をされる人がいますね。
それはきっと、喜びのあまりに有頂天にばかりなっていてはならないという、自らへの戒めの言葉なのでしょうね。
こうした言葉というのは、精一杯の努力をした人が言うから、尚更味わい深い感じがするのかもしれませんが、到底私には該当しないのです。
この身の引き締まる思い、というのを経験したこともないし、人一倍の努力というのも自分には似つかわしくないと感じてしまうのです。
達成感もないので有頂天になることもないので、油断しないように身を引き締めるなどという発想が最初からないのですね。
他人と自分を比べてしまうと、随分と違いがあって自分は今のままのこんなでいいんだろうかという疑問も出てきます。
若い頃は、そんな感じでいつも自分を周りの人と比べてばかりいたので、その度に不安や自己嫌悪を感じることがあったのですが、比べることの無意味さに気づいてからは変わりましたね。
ここでも例の金言が生きてきます。「人のことを考えるな、さもなければ決して成長することはない」というグルジェフの言葉ですね。
人のことを考えるということには、自分と人を比較するということも含まれるし、人にどのように思われているかということなども含まれます。
少なくとも目の前にいない人のことについては、できるだけ考えないでいられるように練習することが大切なのですね。