変容と改善は天と地ほど違う

変容とは磔と復活を意味する。変容とは、今あるあなたが死に、何かが起こり、誰が生まれるか、あるいは自分はどうなるのか、自分でもわからないあなたが生まれるという意味だ。ひとつ確かなことは、あなたは今あるあなたと同じではないということだ。誰にその覚悟ができているだろう?

by osho

癌を患ってから会社を辞めるまでの半年くらいの間のどこかで、少しだけ分析心理学なるもののセッションを受けていたことがありました。

自分が見た夢の内容をセラピストに話すことで、それを分析してもらいながら自分の奥深くに何が在るかを知っていくというものでした。

そのときに非常に印象的な夢を見たのですが、それは生まれ育った家が大型クレーンの先についた鉄の大玉で、バンバン破壊されていくというもの。

その有様を少し遠くから見ているだけなのですが、まったく感情の揺れがなく淡々を見つめていたのです。

これは今までの自分を支えてきた幼いころの自分とその環境の破壊、あるいは死を意味するのだと言われたのですが、そのときにはあまりピンときませんでした。

けれども結果として仕事を辞めて、人生の大転換を迎えることになったのです。生き方や考え方、物事の捉え方などが変化したのでしょう。これは自己改善とは言えないようなものでした。

その後、今の仕事をするようになってしばらく経ったときに、昨日までの自分と明らかに断絶したと感じたことがあったのですが、このときも自己改善という要素は見つかりませんでした。

osho の言う変容とは、改善とは全く異なるものだということがよく分かるのですが、確かに変容には自分のある部分の死が前提になるのかもしれません。

死なないにしても、その部分が非常に小さくなって萎びていくことでしか、真の変容はやってこないということですね。

だからいつも、自分を改善しようとしないで下さいとお伝えしているのです。改善しようとすると、これまでの自分が頑丈にそこに張り付いてしまうからですね。