マインドのスピードを落とす

いつもできるだけ意識的であるように心がけていると、自分のマインドのスピードが今どのくらいなのかが分かるようになるものです。

それはちょうどクルマを運転しているときに、他のことを考えていたり同乗者と調子に乗って話し続けていると、スピードがどのくらいでているのかケアしづらくなるのと同じです。

注意深く運転していれば、自分の運転が今どのような状態なのかについて、最優先で見ていられるものです。気がついたら制限速度をはるかにオーバーしていたということがなくなります。

40年以上クルマを運転してきたのですが、幸運にもこれまで大きな事故を起こしたことがないのは、ある程度注意深さを忘れずにいられたからだと思います。

思い返すと、事故とは言えないちょっとしたかすり傷程度を負ったようなときには、必ずなんらかの理由により注意散漫だったと記憶しています。

スピードを出してはいけないということではなく、人間ですからスピードを出したくなるときがあってもいいと思うのですが、そういうときには普段よりももっと注意深く運転できればいいのです。

運転はある意味命がかかっているので、注意深くいられるのですが、それとまったく同じくらいに、生きている瞬間瞬間に注意深くいられるようになればいいのです。

そうなったらもう、思考に巻き込まれ続けることもなくなっていくはずです。やってくる思考が途絶えなくても、それを見ていられるようになれば、マインドのスピードに気づいていられるからです。

クルマを十分にゆっくり走らせていれば、周りの景色を見て楽しむことができるのと同様、十分にマインドがゆっくりになれば、深い気づきを持って起きていることを見ることができるのですね。