お守りのいらない人生にする

会社員の若かりし時のこと。初めて長期の海外出張をすることになったのですが、どういうわけか母親が直前になってお守りを買ってきたのです。

これ持って行ってねと言われて、いらないという訳にもいかず、本心としてはイヤイヤだったのですが、財布に入れたのが運のツキ。

帰国した後も、それを処理することもできず、結局存在を忘れて何年間もずっと財布の中に入れっぱなしになっていました。

自分の不安を自分で何とかしたくてお守りの類を買うのはいいですが、誰かにそれを買って持たすというのは問題です。

しかも、お守りは勝手に処分してはいけないというおまけ付き。私にとっては、こんな面倒なものはほかにないかもしれないと思ったものです。

ありがたいことに、それ以来お守りとは縁のない生活ができているのですが、人によっては精神安定剤のような薬も、ある種のお守りになっていることがあります。

心が安定しないときに服用して楽になったという経験があると、回復した後でも薬が手放せなくなったりするのです。

薬もただ携帯しているだけで安心できるというなら結構なことですが、実際に服用し続けるとなると、ちょっと身体への負担が気になります。

元々、不安というのは自分自身が作り出すものだということに気づいて、そこから逃げずにいる練習をすることによって、不安を小さくすることが可能です。

そうなったらもうお守りなど不要になってしまうはずですね。