無意識は衝動に流されやすい

若い頃のことですが、夏真っ盛りの時期にプールで泳ぐのが好きでした。海よりは手頃だし、波がないのでしっかりと泳ぐこともできるのです。

泳いで疲れた後は、プールサイドで寝っ転がって日焼けするのも大好きでした。ジリジリと照りつける太陽の恵みを全身で感じるあの気持ち良さ。

時々喉の渇きを覚えて冷たい飲料水を飲んだりするのですが、ある時飲みすぎても胃に悪いと思い、我慢してプールに飛び込んだのです。

しばらく泳いでプールから上がったときには、完全に喉の渇きはなくなっていたのです。それで分かったのですが、喉の乾く理由は水分が足りないときだけでないのですね。

上昇した体温を下げるためにも喉は乾くのです。だからそのときは、水分補給よりも冷たい水に飛び込んだ方が効果があったというわけです。

私たちの身体は、必要に応じていろいろなサインを出してくるのですが、空腹を感じるのもその一つ。食物を摂取して栄養分を補給せよということです。

ところが、本来の空腹を感じるわけでもないのに、何か口に入れたいという衝動がくるときがありますね。あれは栄養分を補給せよでないのは明らかです。

マインドが不満、あるいは不満足な感覚を紛らそうとして、食べることを促そうとしてしまうのです。

そうして手近にある食べ物を口に放り込んで、満足させようとしてしまうのです。お腹が空いてないのに食べるのですから、内臓にいいわけないですね。

身体からの正直な訴えなのか、あるいはマインドがでっち上げた偽物の声なのか、しっかりと聴き分けることができる状態であることが大切ですね。

そのためには、できるだけ意識的であることが肝要なのです。無意識的であれば、どうしても衝動に流されてしまいがちになるからです。