誰でも多少は自分のことを否定的に見てしまっている部分を持っているものですね。幼い頃にはマインドがまだ未熟だったせいもあって、人は完璧を求めてしまうからです。
その幼い頃の自己否定感が、どこかに残存しているというわけです。その程度ならまだいいのですが、その自己否定感が殊のほか大きくて、大人になってから持て余すほどになってしまうと、問題ですね。
たとえば、誰もがごく普通にできるようなことが、どうしても自分にはできないという事実が突きつけられると、当然そんな自分をひどく責めてしまうのです。
もういい大人なんだから、やるべきことをやれないなら、大人としてあるいは人間として自分は失格だと決めつけてしまうこともあるでしょう。
情けない気持ちになったり、自分への怒りに苛まれて落ち込むことにもなるはずです。症状が軽い人は、単なる怠け者なのだと思うかもしれません。
けれども、そんな時大切なことは、やろうと思ったことができない本当の原因を知ることなのです。そのためには、日頃から自分の内面を深く見つめる練習をしておくことが必要なのです。
やるべきことをやらないのであれば、それはやりたくないという強い抵抗があるという単純なことにまず気づくことです。そして、そのやりたくないという反逆のエネルギーがどこから来たかを考えるのです。
それは間違いなく子供のころの鬱積した感情のエネルギーからやってくるはずなのです。たとえば、もしもあなたが子供の頃に無邪気に「ノー」を言える状態ではなかったとしたら、そのエネルギーは蓄積していってしまいます。
そして、その溜まりに溜まった「ノー」のエネルギーが、時を超えて現在の大人のあなたのやらねばという気持ちに抵抗するというわけです。
かつて言えなかった「ノー」を、今になって言っていると思えばいいのです。その「ノー」に勝つためには、過去の鬱積したエネルギーを解放して、その力を小さくしてあげることが必要ですね。
そしてもう一つの方法は、大人のあなたが「やらねば」でやるのではなく、もっと気軽な気持ちで「やろう」、あるいは「やりたい」という気持ちになれば、「ノー」は邪魔することができなくなるのです。
いずれにしても、まずは自己否定をする代わりに、その原因を調査するという態度がどうしても必要となりますので、独りでは難しいなら、プロの力を借りることですね。