私たちが外側にあるモノを見るとき、そのモノ自体を見ているわけではないということに気づいているでしょうか?
私たちが見ているのは、そのモノに当たった光の反射光を見ているのです。だからこそ、目の前に何があろうとも、部屋が暗くなったら何も見えないわけです。
こうした基本的なことを普段は忘れてしまって、ただそこにモノがあるからそれが見えているんだと思ってしまっているのです。
テレビや映画の人工的な映像でも、そこにモノがあるように見えるのはこうした原理を思い出せば当たり前のことです。
ただこれまでのテクノロジーのレベルでは、リアルな世界と映像の世界の見え方があまりにも違ったので、両者の区別がついたわけです。
けれども、テクノロジーの発達によって、近い将来はリアルな世界と仮想世界の違いが分からなくなるのは目に見えています。
だとしたら、このリアルな世界が仮想現実ではないとどうして言えるのか?という考えに辿り着いてしまうのですね。
この世界が仮想的な世界であるなら、その中で暮らしている自分自身も仮想的なものであることになるはずです。
リアルな世界であれ仮想世界であれ、違いがないのは体験があるということだけかもしれませんね。