悪夢からの目覚め

中学生くらいまでは勉強のことで困ったことはなかったものの、高校生になってその状況が一変してしまい、勉強嫌いが本格的になって、特に苦手な学科は試験前に困り果てたものでした。

その時の不安な気持ち、もう今から勉強したって絶対間に合わない、どうしようというひどい焦りのような感覚が先日の夢にそのまま出てきました。

今でもその夢の中でのいや~な思いをはっきりと思い出すことができます。そして、夢から覚めて現実はこんな生活してたんだと気づいていく中で、ほっと胸をなでおろしました。

ああ、よかったと、もう勉強に追われることは一生ないんだなって。みなさんはこのような経験はないですか?夢の中の状況が辛くて、目覚めたときにものすごい幸せな気分になるのです。

様々な悪夢から覚めたときに、誰もが感じる深い安心感とでもいうのでしょうか、何とも言えない安堵のため息が出てしまいます。

自分が子供の頃に、父親が言っていたことがありましたが、人を殺してしまった夢を見たらしく、「ああ、とうとう自分は人を殺してしまった」と本当に絶望したらしいです。

それが目覚めて夢だと分かったときに、胸をなでおろしたと教えてくれたことがあったなと思い出しました。

こうした誰もが少なくとも一度は経験している、いやな夢から醒めて、ああ、よかった!と思う、それをはるかに上回るすばらしい体験をしたいとは思いませんか?

実は悪夢から醒めたこの現実も、実はその大抵は悪夢に違いないのです。この現実という悪夢から醒めて深々とした真の安心へと戻ることができるということです。

それは本当の自分の姿に気が付くという体験です。高校生だった頃の夢の中の自分は目覚めたときに消滅してしまいますが、現在の自分がその代わりにいるという自覚が戻りますね。

それと同じように、この現実の中で翻弄されながら何とかこの人生を続けている自分に代わって、忘れていた本当の自分が蘇るということです。

そしてその自分はすべてを持っていて、足りないものがないのです。あらゆる一切合財が自分自身であるという感覚を取り戻すのですから、これ以上の安堵感はないでしょうね。

時間という妄想の中ではそれぞれにそのタイミングが異なるように見えるかもしれませんが、いずれは誰もが、一人残らずこの悪夢から目覚めて、真の自己を思い出すときが必ず来るということです。

そしてその時は、明日かもしれないし、一分後にやってくるかもしれません。だから安心して、毎日をただ楽しんで、喜ぶことに専念すればいいということです。