サバイバルか幸せか

ある人に最も大切なものは何?と聞いたら、生きていることだとの答えが返ってきました。私は内心びっくりして、ではその次に大切なことはと聞いたら、「幸せ」と返ってきました。

どうして幸せが一番大切なことにはならないのかと聞いたら、生きていなければ幸せになることもできないからと言われました。

なるほど、確かに死んでしまったら幸せかどうかを言うことすら意味がなくなってしまうわけですから、その人の言葉には一見意味があるように感じられます。

しかし、ここには大きなエゴのトリックが隠されていると言わざるを得ません。つまり、まず生き延びよう、天寿をまっとうするように努力しよう、生きてさえいたら、次には幸せになる可能性が待っているよというものですね。

でも実際には、生き延びることにエネルギーを費やしていたら、いつまでたっても幸せにはなれないのです。

なぜなら、生き延びようとすることと、幸せになろうとすることは実は正反対の信念体系にあるからなんです。一方は防衛であって、もう一方は無防備さであるからです。

天寿をまっとうすることは、天に任せておけばいいことです。エゴは自分の命を自分でコントロールできるとささやきかけてきます。

ですが、天寿というのは、天が授けてくれた寿命のことですからエゴが取り仕切るような範疇にはないということを理解する必要があります。

私たちの苦悩はここの誤解に根ざしているとも言えるのです。つまり、いつ死ぬのかということは自分では決められないという明確な理解が必要なのです。

そのことが分かれば、幸せになるということが唯一大切なことだと分かるようになります。そうすれば、幸せになることを真っ向から邪魔してしまうサバイバルに費やしていたエネルギーを、幸せになる方向へと転換することもできるようになるのです。

誤解してもらいたくないのですが、サバイバルにエネルギーを使わないということが、自分の命を粗末に扱ってもいいということではありません。

ただ、幸せの方向だけに意識を向けて生活することは、生き延びるということへの関心が薄くなっていくことは間違いないことだと思います。

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