あきらめきれない

私は時々、次のような夢を見ることがあります。それは、何かをやろうと思っているのに、それがなかなか思うように進めることができずにいる、という夢です。

何をやろうとしているのかは、今思い出そうとしても全く記憶がないのですが、とにかくまだ終わってないからやらなければという気持ちのまま目が覚めるのです。

目が覚めた後も、夢だったんだと分かってもしばらくの間は中途半端なままにしてしまったなあという後悔のような何ともいやな気持ちが続くのです。

自分でも、夢なんだからもういいじゃないと自分に言い聞かせるのですが、確かにそうだなと分かるまでにある程度の時間を要します。

つまり、簡単にはあきらめきれないと言う心の状態になっているということですね。何をあきらめきれないのか、それについては全く思い出せないということは、内容よりもそうした心残りの感覚そのものの夢ということですね。

後味が悪いですが、勿論しばらくするとそうした夢を見たことすら忘れてしまうくらい、日常生活への影響はありません。

でも、またしばらくすると、そうした夢を見るということは、何か執着のような割り切れない思いというものが、心の奥底に引っかかっているのかもしれないです。

現実の生活では、比較的諦めが早くて、淡々としているように自覚しているのですが、本心はそうではないということなのかもしれません。

あきらめるということは、実はなかなか難しいことだと思うのです。人は、自分にとって大切なものであればあるほど、あきらめきれない状態に陥りがちです。

そこから、苦悩が起きるのは周知の事実ですね。本当にきれいさっぱりあきらめることができると、すがすがしい気持ちになれるはずです。

最も苦悩するのは、自分ではあきらめたと思っていて、本当はあきらめられずにいるという時です。そういう場合には、わけも分からずに怒りや悔しさなどが表出するかもしれません。

人生の中で、自分があきらめたと思っていることを思い出して、もう一度本当にあきらめがついているのか自分に問うてみることは必要なことです。

心底あきらめるということは、確かに難しいことではあるのですが、それができたときには本当に心が晴れやかになって新たなエンルギーが涌いて来るのでしょうね。

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