遊び心を忘れない

自分は褒められて成長するタイプなんだと言う人がいますね。褒められて、いい気分になってやる気が出るから、いい結果が出るといういい循環になるのでしょう。

誰だって、けなされるよりも褒められる方が好きに決まっています。けれども、あなたが本当に満たされているなら、褒められたいとは殊更思わないはずです。

褒められるとは、認められるということと繋がっているのです。これは、褒められる側の一方的な解釈です。相手はあなたのことを褒めなくても、あなたのことを丸ごと認めているかもしれないからです。

またその逆に、誰かがあなたのことを褒めたからといって、あなたのことを認めているとは限らないというのも事実です。とはいうものの、褒められたいが強いマインドは、褒められる=認められたと勝手に解釈してしまうのです。

自分のことが親にとっての関心事のナンバーワンではないと感じた子供は、必死になって親に認めてもらおうとするようになるのです。その結果、褒めてもらえるようにと頑張ることになるのです。

そうやって、褒められるような結果を出すことで、何とか自分の方にもっと興味を持ってもらいたいという切ない心がそこにはあるのです。

こうした幼いころの心のメカニズムを持っていると、大人になっても目的指向の人生を生きることになってしまいます。このブログで何度も書いてきましたが、目的指向は未来に生きることになるのです。

そして最も大切な今この瞬間を、未来に到達する目標のための手段へと貶めることになるのです。常に未来のどこかに素晴らしい自分、素晴らしい到達点があり、それを求めて現在を費やすのです。

そして残念なことに、どれほど頑張ってその目標に到達したとしても、またそれをどれだけの人たちに褒めてもらえたとしても、その満足は一過性のものなのです。

そしてすぐに、また別の未来の目標を設定して、せっせと現在を手段と化してしまうのです。未来の目標と現在の手段との時間差を欲求と呼ぶのです。

その人生はどこまでいっても決して満たされることがありません。誰かに認めてもらうために今を犠牲にするのではなく、今を貪欲に楽しむために今を生きるように変えていくことです。

そのためには、遊び心を忘れてはいけません。夢中で遊んでいる子供を見れば分かることですが、彼らは褒められるために遊んでいるのではないはずです。遊ぶこと自体が目的なのです。