私たちの誰もが抱えている不安の根源的なものとは、一体どこから来るのでしょうか?それは本当の自分とはナニモノなのかということを、知らずに生きているからなのです。
ところがそのことに気づかないでいられるのは、幼い頃に自我の目覚めとともに、自分はこの肉体だと思い込んでしまったからです。
気がついたら言葉が喋れるようになっていたのと同じようにして、気がついたら自分はこの身体だと信じ込んでしまっていたのです。
だから自分のことは知っていると錯覚しているのです。その誤魔化しの下に自分を知らない自分が隠されているというわけです。
ちなみに、自分の大きさはどのくらい?と問い合わせると、きっと自分の身体の大きさと同じくらいの大きさを想定していることに気づくはずです。
その感覚をよく見つめてあげると、それが作り物の感覚だということが分かります。その瞬間、意識的なマインドの部分だけですが、自分と身体の同化が崩れるのです。
その瞬間、あっという間に自分の大きさが不明な状態になるので、非同化したことがすぐに感じ取れます。この実践は、身体と眼球をなるべく動かさないようにするのがコツです。
分からなくなった大きさに意識を向けていると、今度は何処にいるのかという感覚すら怪しくなってきます。こうなると、もう自分という存在が無かあるいは無限大だと分かります。
こうして、身体との同化はすぐに落とすことができるのですが、残念なことに無意識のマインドの中には頑固に自分はこの身体に違いないという信念が厳然とあり続けるのです。
だからこそ、身体に対する非同化は一時的なものでしかないということですね。意識的なマインドが無意識の部分に影響力を持つようになれば、すっきりと同化を終わらせることができるはずなのですが…。