セラピストの立場としては、何であれクライアントさんにはセッションにいらして欲しいというのが本音なのです。なかなか難しいなと感じるクライアントさんであってもです。
けれども、ごくたまにはこちらの方からセッションをお断りするというケースもないことはありません。昨年もありましたし、一昨年もそうしたケースがあったと記憶しています。
それは、激しい依存だったり、こちらの意向を無視して自分勝手な癒しの方法を続けようとしたりと、そのような場合、時間とお金と労力の無駄だからという理由で、ご予約をお断りしたのです。
そして最近では、そこまではっきりとお断りするのではないのですが、暗にこの状態ではセッションをしても効果がないということをお伝えすることもあるのです。
というのも、これまでクライアントさんが培ってきた正しさや信念信条、そうしたものにしがみついている状態では、どうやっても癒しを進めて行くことができないと感じるからです。
それが分かっていながら、何となく来てほしくて曖昧な表現をするのも、正直さに欠けるなという思いが強くなってきたからなのです。
人生の勝ち組であるという思い込みや、競争に勝ち抜いてきた結果などにしがみついている状態では、けっして癒されないと分かるからなのです。
そのような場合には、もっともっととことんまで参ってしまうとか、命に関わるような病気になったり、耐え難いような苦しみがやって来て初めて、ご本人のしがみつきが弱まることでしか、道はないのです。
どん底に落ちていただくためにも、かなり冷たく突き放してしまうということも場合によっては必要なのです。きっと、ご本人に気づきがやってくるまでは、相当に恨まれることになるでしょうけれど…。
最近になって、ようやくそういうことができるようになってきたのです。誰でも長年やり続けていれば、少しは進歩もするものなのですね。