無目的になる!

私たちは、幼い頃から何か目的を持って生きていくべきだということを教え込まれます。目的がなければ、その日暮らしの怠惰な人生になると想像できるからですね。

何か明確な目標を掲げて、それに向かって一歩一歩前進して、たゆまぬ努力を実らせてゴールに至るのが理想的な生き方のように感じています。

そしてめでたく一つの目標をクリアしたなら、次なる更に大きな目標を設定して、継続して邁進することで人生が推移していくということです。

それには終わりがありませんが、そのようにして絶えず前を向いて今よりも明日、明日よりもその先の未来によりよき人生、より素晴らしい自分を築いていこうとするのです。

このようなことがたとえ実践できていないにしても、正しい生き方のように感じている人は沢山いるのでしょうね。実は、私の中にもそうした部分がないわけではありません。

けれども、そのよさげな生き方について、その根本に一つの疑問、問いかけが浮かんでくるのです。それは、なぜ目標、目的がなければダメになってしまうと感じるのかということです。

それはきっと思考の仕業なのです。思考というのは、絶えず過去を題材にして現在や未来と比べたがるのです。比べれば、より良く、より高く、より上手に、より賢く、となるのです。

それがあたかも素晴らしいことのように感じるのですが、ひとたび思考を落としたなら、その比較や判断が消えることで、より○○というものもなくなってしまいます。

すると、意識が突然今この瞬間にのみ固定されるのです。元々意識には過去や未来というものがないのです。それは思考の中にのみあるものだから。

私たちが信じてきた素晴らしい人生、素晴らしい自分を未来に求めるのは、ただの思考の中での話しだったと気づけばいいのです。

私たちは思考ではありません。思考がなければ、どんな目的も目標も消えてしまいます。そのときに初めて、今この瞬間を静かに満喫しきることができるのですね。

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