欲望は大損をする

芸能の分野であれ、スポーツの分野であれ、何であれ熱狂的なファンというのがいますね。私自身は、昔から誰かを熱狂的に応援するということはあまりありませんでした。

それでもたまには、真剣に応援するようなこともあって、その時には例えばスポーツの試合であれば、楽しむというよりもドキドキしてしまうのです。

勝っても負けてもいいじゃないなんていう悠長な気持ちではなくなってしまうのです。そうなると、勝たせてあげたいという欲望が出て来るために、選手が失敗したらどうしようとビクビクしながらの観戦になったりするのです。

もうそうなったら、自分の子供が試合をやっているような応援の仕方になって、オーバーに言えば楽しむどころかとても見ていられないというところまできます。

こういうことで分かるのですが、欲望が強くなればなるほど、人は楽しむことから遠ざけられてしまうということですね。一番大切な遊び心が消えてしまうのです。

勿論プロの選手自身は、真剣そのものであるのは当然なのですが、なぜか見ている私の方が若干深刻さが混ざってくるのです。

応援している選手が勝ったらホッとして、負けたら無念な気持ちになり、どっちにしてもその瞬間を楽しむことができなくなっているのですから、大損ですね。

欲望というのは、所詮そのようなものだということです。欲望が小さければそれだけ結果にこだわることがなくなり、瞬間瞬間を楽しむことができるのです。

欲望は時間を無駄遣いしてしまうということですね。