三種類の無知

無知には三種類あるという話しです。

最も初歩的で無垢な無知とは、真実を知らずにいて、知らないでいるということに気づいていない状態です。動物や人間の赤ちゃんがこれに当たります。

私たちの誰もが生まれてしばらくは、この最初の無知から始まるのです。それから、徐々に知恵がついてきて、自分で知識を身につけるようになっていくのです。

これが二番目の無知なのです。つまり、真実を知らずにいて、そのくせ自分は多くのことを知っていると思い込んでしまっている状態です。

最初の無知の状態から、二番目の無知へと進んで行くのはほぼ自動的と言っていいのです。ほとんど誰もがこうした推移をするのです。

そしてその先には、三番目の無知の状態というものがあります。それは、真実を知らずして、自分は何も知らない無知そのものだということに気づいている状態。

これが無知の中で最上級のものなのですが、二番目の無知から三番目の無知へと進む人は、もしかしたら稀なのかもしれません。

多くの人々は、二番目の無知の状態で停まってしまうのです。沢山の知識を身につけた人ほど、その傾向が高くなるかもしれません。

なぜなら、自分の無知さには気づかぬままに、この世界で成功者となることもあるからです。どれほど知識を蓄えたとしても、それが何にもならなかったと気づいた人だけが、その先へ進むチャンスがあるのです。

そして幸運にも三番目の無知の状態へと移行できた人だけが、ごくごく稀に真実と触れ合う奇跡がやって来る可能性があるということです。

それは、無知なマインドが退いて、自己の本質が真理として顕われること。それが覚醒なのですね。