クライアントさんとのセッションの中で、もう数えきれないほど何度もお伝えしていることがあるのですが、それは、自己表現や怒りを抑える三つの要素についてです。
ストレートに言いたいことが言えない人、怒りの感情を表現できなくなってしまっている人が沢山いるのです。その原因はいろいろあるのでしょうけれど、以下の三つが主だった要因なのです。
その⒈
相手のことが怖い場合。恐怖を感じてしまうと、自分を守ろうとして自己表現は抑えられてしまいます。そして、怒りも恐怖が蓋をして感じなくなってしまうのです。親に叱られた幼い子供は大抵恐怖から無邪気な表現をやめてしまいます。
その2.
相手が大変そうだったり、余裕がなさそうで可哀想に感じていると、そんな人に追い打ちをかけるように言いたいことを言ったり、相手に怒りをぶつけることができなくなるのです。なぜなら、可哀想な人を更に辛い思いをさせたと思えば、罪悪感に潰されそうになるからです。
その3.
何等かの理由で自己嫌悪を感じていると、人は自分が悪いのだから仕方ないとして、言いたいことを抑えてしまうし、怒りもしぼんでしまうのです。
幼い時に、この三つの要素の一つでもあれば、そして同時に二つあるいは三つとも思い当たるなら、自由な自己表現と感情表現(特に怒り)は徹底的に抑圧されてしまうということです。
そうした抑圧は自分を守るための方法として、私たちの生き方の中に定着してしまうことになるのです。そうなったら、それを修正していくのは大変なことです。
そうした生き方を作り込んでしまった過去まで遡って、その時の恐怖や罪悪感、自己嫌悪、怒りなどを味わうことで、少しずつ変えて行くことができるのです。