二つの仮面を引っ剥がす

あるがままの自分、ありのままの自分で生きるということは、誰もが望んではいるものの、実際にはなかなか難しいものなのですね。

その反対に、もっと自分はこうでなければならないとか、何とかしてこうならねばならないといったような願望、切実な思いをもって生きていたりするのです。

それはある意味、仮面をつけて生きているようなものだと思えばいいのです。誰だって、会う人ごとに微妙に違う仮面を自動的にかぶり直すのです。

勿論、独りで家にいるときには、そうした仮面をとってのんびりしたくなるはずですが、あまりにも仮面をつけることに夢中になっていると、つい仮面を脱ぐことを忘れてしまうことになるのです。

そうなると、年がら年中仮面をつけっぱなしにするようになって、結果として仮面をかぶっていることを忘れてしまうようになるのです。

そうなると、やっかいな事態になってきます。本当の自分、素の自分の顔がどんなだったのかを思い出せなくなってしまい、その仮面を自分の顔だと思うようになってしまうからです。

都合がいい面も確かにあるのですが、やはりいつかは何か違和感を持って生きることになるはずなのです。そして、自分を癒すことを始めると、仮面の存在に気づくことから始まるのです。

今までの自分は本当の自分ではなかったと。そうやって少しずつ、元々のオリジナルの自分の顔を取り戻していくわけです。それはきっと素晴らしく気持ちのいい体験になるはずです。

一般的な癒しでできることは、ここまでです。この先には何があるかというと、実は見つけたと思ったオリジナルの顔も、生後でっちあげられた顔に過ぎなかったと気づく必要があるのです。

最後に気づくこと、それはオリジナルの顔を引っ剥がしたときに、いったいどんな顔がそこにはあるのか?結論から言えば、どんな顔もそこにはないということです。

それが本顔を得るということ。あなたの本当の顔は、透明で大きさも形もないのです。そのときに、人生という物語をただ見る立場である自分に気づくことにもなるのでしょうね。