「昼下がりの背徳」って??

昔から気になっていたことの一つに、洋画の題名が内容とあまりに違うことがあるということ。洋画の場合には、勝手に日本語の題名が付けられてしまうんですよね。

原題がそのまま使われるケースもあるのでしょうけれど、原題とはかけ離れた題名になってしまっているケースが多々あるのです。

最近ネットである映画を観たのですが、自分としてはすこぶる気に入ったのか、珍しく観終わってすぐにもう一度、始めから見直したくらいの映画だったのです。

実はその映画の邦題は、「昼下がりの背徳」っていうちょっと怪しげなもので、これじゃあわざわざお金を払ってレンタルビデオ店で借りないでしょうと思うのですが…。

フランス語での原題をそのまま直訳すると、「美の王国」くらいになるのですが、それにしても題名によってあまりにも印象が違いますね。

私の見立てでは、原題でさえ本当に伝えたいことを表現してはいないと感じたのです。きっとそこには、隠された作者の意図があるのではないかと。

期待して解説文を読んでみたのですが、これまたひどすぎる。ただ、出来事を列挙しているだけで、これを読んで是非観てみたいと思う人は皆無なのではないかと。

この映画を見ながら最も共感したのは、人も羨むような生活を手にしたとしても、真に満たされることはないというところです。これが、人間の最も不幸な部分なのですね。

きっとこうしたことに人は気づきたくないのです。邦題を決めた人も、解説を書いた人も、作者の意図を汲み取らずに、上っ面をサラッと観ただけだったのかなと思うのです。