思い込みが至福を遠ざける

信じがたいことかもしれませんが、私たちが暮らしているこの世界というものは思い込みが土台となって成り立っているのです。

思い込みというのは、違う言葉で言えば信じることです。そして一般的には、この思い込みという言葉には、否定的なニュアンスが含まれていますね。

それはあなたの勝手な思い込みだよ、という具合に使われることが多いからです。つまり、思い込みとは事実に反して、あるいは事実を捻じ曲げて信じることを意味するからです。

私たちが共通に持っている根深い思い込みとは、私という個人がここにいるということです。まぎれもない事実だという感覚も持っているので、この思い込みを見破ることはとても難しいのです。

「私」という認識は、自然なものではなく、無意識的とはいえ人為的にでっち上げられたものだということです。

このブログでは、このことを繰り返しお伝えしているのですが、もしもこのことをああそうなんだと信じてしまうなら、それこそまた新しい思い込みが1つ増えるだけのことになってしまいます。

自分はどうしたらより幸せな人生を送ることができるかということを、誰もがどこかで考えているのですが、その根っこには、「私」という個人がいるという思い込みがあることを忘れてはなりません。

「私」が満たされることは原理的に決してあり得ないということを深く理解することができると、残された道はただ1つ。

いかにして、「私」がいるという思い込みを暴き切るかということに尽きるのです。それは幸不幸を超越した、真の至福への唯一の道だからです。