私たちは日々、やらなければならないことをいくつも抱えながら生活しています。子供の頃なら、宿題、勉強、学校に行く、歯を磨く、等々。
大人になれば、一般的に言えば子供の頃以上にやるべきことが増えていくものです。一つひとつそういったものをこなしながら、人生が推移していくわけです。
けれども、「やらなければならないこと」というのは、与えられた人生という物語の中でのみ存在するのです。
ひとたびその物語から抜けた視点に立てば、やらなければならないことなど本質的にはひとつもないということに気づくのです。
やるべきことをやってもやらなくても、いつかはその物語には終わりがくるので、どちらであろうと何の違いもないからです。
始まった物語は、いつか必ず終わりを迎えます。始まったのに終わらないもの、あるいは始まってないのに終わりが来るものは、ありません。
また、始まりがないものには終わりもないのです。話を元に戻して、もしも今あなたがどうしてもやらねばならないと思うものがあって、それができずにいるとしても、そんな事実もいずれは消滅してしまうということ。
ただ物語の住人と同化してしまったがために、苦悩してしまうだけだと気づくことです。やらなければならないことなど、夢の中の泡のようなものです。