死ぬ前に自分の人生を振り返った時に、どのような思いで死にゆくのが理想でしょうか?
いろいろあったけど、全般的には満足のゆく人生だったと思いたいのか、それともうまくいかない惨めで虚しい人生だったと後悔したいのか?
それは勿論前者の方でしょうね。人生の最期に悔やみながら死んでゆくのだけは避けたいですから。
けれども、実は前者の方にしても、何かと比較してまあまあいい人生だったと言っているだけなのです。
そうやって都合のいい面ばかりに着目しているだけであって、より幸福そうな人の人生とは比較しないでいるだけだとも言えるのです。
本当に大切なことは、人生がどうだったかと振り返るのではなく、人生とは思考が作った作り物でしかなかったと気付くこと。
この気づきが死ぬ前に得られるなら、人生を振り返ることはなくなるのです。それはちょうど、目覚めた後に夢の内容がどうであれ気にならなくなるのに似ています。
今この瞬間、あなたの人生がどんなものであれ、すべては完全に消えゆくものでしかないのですからね。