先日テレビの番組で観たのですが、あの可愛いニホンミツバチが、その10倍以上も身体の大きいオオスズメバチをやっつける方法が凄いのです。
天敵であるオオスズメバチが巣内に侵入すると、数百匹の働き蜂がオオスズメバチを取り囲んで「蜂球」を形成するのです。
そして彼らは一斉に身体の一部を振動させて発熱して、自分たちが死なずに済む温度でかつオオスズメバチが死ぬちょうどのところまで温度を上げていって、オオスズメバチを蒸し殺しにするのです。
これだけでも凄いなと思うのですが、ここには二つほど感心させられたことがあったのです。
その一つは、オオスズメバチが巣内に入ってきても、ニホンミツバチたちは最初ただ逃げるだけなのです。
ところが不幸にもその中の一匹がオオスズメバチにやられたと思った瞬間に、突如として蜂球を作る作業に取り掛かるのです。
つまり悪者が侵入してきても、自分たちからは攻撃しようとしないということ。この様子を観ていて、ちょっと歯痒い感じになったくらいです。
もう一つの感心したことは、オオスズメバチに向かっていって蜂球を作る蜂は若者の蜂ではないとのこと。
ある程度年齢のいった蜂だけが蜂球を作るために、誰から指示されたわけでもないのに突進していくらしいのです。
なぜなら、オオスズメバチを蒸し殺しにするためには、自分たちにとってもギリギリまで温度を上げる必要があり、その結果寿命が3分の1縮んでしまうのだとか。
年寄りの鏡ですね。こんな完璧とも言えるチームワークを見せられてしまうと、蜂よりも賢いと自負している人間が愚かしく見えてしまいます。
けれどもこれは当然のことなのです。蜂には愚かしい自我がなく、人間には自我があるからですね。とほほ…。