私達の心の中心には、幼いころから築き上げてきた信念や信条、あるいはルールのようなものがどっしりと居座っています。
そういったものに背かずに従順に生きていくことで自分を守れると信じているのです。しかし、ときにはそのルールを勇気を持って見直さねばならないときが来ます。
例えば、子供のときに大好きな親の言うことは出来る限り守ることにしよう、大切な親の期待にはできるだけ応えるようにしようと思っている人は沢山います。
その人が親の期待に逆らって、自分がやりたいと思う道に進もうとするときには、必ず心の中に強い葛藤を感じることになってしまいます。
そして、自分の思いを優先して人生を進めていくことを想定すると、親の期待を裏切ることからくる激しい罪悪感に苛まれてしまうことになるのです。
その決断のときに、罪悪感に打ちのめされてしまうことに恐怖を感じて、親の意向に沿った人生を選んでしまうと、後々後悔することになったり、場合によっては親を恨んでしまうこともあるかもしれません。
親の気持ちを優先するべきか、自分の思いを実現させるべきか、この選択にはどちらが正しいという決まりはありません。
しかし、自分の希望する道を進もうとするときに発生する罪悪感と向き合うことから逃げるべきではないのです。
どちらを選択するにしても、罪悪感と対面してそれをしっかり受け止めてあげることがとても大切なのです。
罪悪感は恐怖と非常に類似したただの感情ですので、それを正面から見つめて感じ尽くすことができれば、乗り越えることができるのです。
その上で、選択をしても遅くはありません。どんな場合でも、罪悪感から逃げずに向き合うことを習慣付ければ、いずれは罪悪感そのものを大敵とはみなさなくなってくるのです。
それは自分のことも他人のことも許すという愛の心へのパスポートなのです。