ゲームセンターなどに昔からある「モグラ叩き」というゲームがありますね。沢山のモグラがランダムに飛び出してくるのをできるだけタイミングよくハンマーで叩くというものです。
このゲームは反射神経を競うものですが、同時にハンマーで思い切り叩くという要素があることから、日頃のストレスの発散をも兼ねているのではないかと密かに思っています。
私達はこのゲームと同じような事を、実は自分の心の中で日常的にやっているのです。モグラに相当するのは心の中に沢山ある意識の断片です。
それら心の中のモグラは、自分にとって都合の悪いものなので、表に顔を出されたくないために心のハンマーで常に叩いて心の奥に戻してしまうのです。
そういった都合の悪いモグラとは、怒りなどの感情だったり、ダメな自分だったり、ありとあらゆる認めたくない自分の断片たちなのです。
戻された心のモグラたちは、また頃合を見つけては表に飛び出してこようとします。そんなことを延々と繰り返しているということです。
モグラ叩きゲームは時間がくると自動的に終了となるのですが、心の中でのモグラ叩きはそのままでは終わるということがありません。
叩くことに疲れてしまって放ってしまうこともありますが、その時にはそのモグラが表にしっかりと出てきてしまい、自分はそれに乗っ取られてしまうこともあります。
心の中でのこのゲームをやめる方法は一つしかありません。それは、一つひとつのモグラを叩くことをやめるということです。
勿論叩かなければモグラは出てきたままになりますが、それをそのままにするのではなく、しっかり見てケアしてあげるのです。モグラを裁かないようにするのです。
そうすることで初めてそのモグラたちは、自分が受け入れてもらえたという気持ちになっていき、しまいには訴えることをやめて静かになってくれるのです。
あなたは自分の心の中にいる沢山のモグラたちをしっかり見てあげることができるでしょうか?初めはきっと辛いことだと感じるでしょうね。ずっと叩いて潜らせて見ないようにしてきたものなのですから。
でも少しずつでも一匹二匹とそのモグラたちに光を当ててあげると、心の闇の中でうごめいていたモグラたちは、やがて消滅していくことになるのです。